Monday, May 22, 2006

いくつもの春


雪深かった冬も、時期が来れば不思議なくらいに様相が変わる。奥志賀も春だ。

中庭を歩いていても、驚かされるのは自然の”生命力の強さ”だ。
だれに喜ばれるためでもなく、褒められるためでもなく、ただひたすらに生きるのだ。

冬の間に傷んだ部分の手入れが始まった。今年は例年になく荒れたようだ。
ボイラーの富じいさんの、ほんの少し寸違いの大工仕事も始まった。
従業員食堂のムっチャンも、静まり返った中で、立ち入るものには刃を向ける勢いで
まさに黙々と掃除し続ける、、、、。
調理場は相変わらず、あたかもどこかの研究室のように仕込が続けられている。

転がる石にコケむさず、、、、、Like a rolling stone!!!
とりあえず、歩いてみよう。

Wednesday, May 10, 2006

ホっとする瞬間


おかげさまで連休は大勢のお客さまにご来館いただいた。
今年の豊富な雪で、周囲はまだしっかりと雪が残っている。

そんな雪景色を目の前にしながら、緑あふれる草原が涼風に吹かれる頃を頭に思い描きながら、未だ来ぬお客さまのおもてなしをあれやこれやと考える。
連休のあわただしさに後ろ髪を引かれる思いをしながらだ。

かつ刻一刻と、売上実績は現実味だけを残しながら耳元を通り過ぎてゆく。・・・・・・ネコが爪を研ぐ音が聞こえてきそうな時間の流れだ。
連休真っ只中の朝、当ホテルに関る超重要人物からお電話をいただいた。
「庭を掃除していてキノコを見つけたのですが、これは食べられますか?」

当ホテルにキノコ博士がいたかどうかは、すぐには思い出せなかったが、一応シェフに聞いてみた。

「和名は網笠茸で、モリーユというキノコです。フランス料理では高級食材です。」
こんなやりとりをしている内に、ふと気が付いてみると朝からの苛立たしさは嘘のように消えていた。
人をホッとさせるものとは、意外と簡単なところにあるものなのだ。
しかも、仕掛け人の思惑とは、まったく別のところにありそうな気もする。